「あなたは右脳型だね」「うちの子は左脳が強いのかも」——そんな会話をしたことはありませんか。じつは脳の左右差は、性格を右脳型・左脳型に振り分ける話ではなく、体の使い方や自律神経とも関わる、もう少し身近なテーマなんです。片足立ちが右と左で全然ちがう、いつも同じ側だけ肩がこる。そんな「なんとなくの偏り」に心当たりがある方も多いと思います。今日は機能神経学の視点から、やさしく整理してみますね。
脳の左右差とは?まず結論から
脳の左右差とは、左右の大脳半球がほぼ同じ形をしていながら、得意な情報処理が少しずつ違っていることです。そして、その働き方のバランスが崩れると、姿勢や自律神経、集中の続きにくさといった形で体にあらわれることがある、と考えられています。
ここで大切なのは、「どちらが優れているか」ではないという点です。左右はケンカする関係ではなく、たえず情報をやりとりして協力し合っています。ですから機能神経学では、右脳・左脳のどちらかを勝たせるのではなく、左右の連携とバランスを育てるという見方をします。
右脳と左脳の違い|得意なことが少しずつ違う
研究では、左右の半球で処理が得意な情報に傾きがあることが報告されています。ざっくり整理すると、こんなイメージです。
| 比較的とくいと言われること | |
|---|---|
| 右半球(右脳) | 全体像をつかむ/空間や位置関係/顔や表情/低い音やメロディ/体の感覚をまとめる |
| 左半球(左脳) | 言葉や書くこと/細かい部分に注目する/順番だてて考える/リズムや高い音/数を扱う |
ただし、ここは誤解されやすいところです。人を「右脳型」「左脳型」の2タイプに分けられるほどの偏りは、大規模な脳画像の研究では確認されなかったという報告もあります。得意・不得意はあくまで処理の傾きであって、人の性格ラベルではないんですね。
体と脳は「たすき掛け」でつながっている
この左右差を体で感じるうえで欠かせないのが、対側性という仕組みです。体を動かす指令は、多くが反対側の半球から出ています。つまり、体の左側は右半球、体の右側は左半球と結びついているんですね。
だから、左手や左足をていねいに使う動きは右半球に、右手や右足を使う動きは左半球に届きやすい、という発想が生まれます。
いっぽうで、すべてが交差しているわけではありません。たとえばにおいの情報は、同じ側の脳に届きやすいと言われています。左右で入り口がちがうというのは、脳を知るうえで面白いポイントです。目の使い方と脳のつながりについては、目と脳のつながりとは?見る力を支える3つの視点もあわせてご覧ください。
脳の左右差は姿勢や自律神経にも関わる
左右のバランスが崩れると、筋肉の張りや自律神経の働きにも左右の差が出て、なかなか取れない体のゆがみや長引く不調の背景になることがある、という視点があります。
自律神経についても、左右で役割分担があるのではないかという指摘があります。たとえば副交感神経の中心である迷走神経に関わる領域では、左側はリラックス方向を高め、右側は高ぶりを抑える方向に働くという報告があります。まだ研究が進んでいる段階の話ですが、「自律神経は左右セットで見る」という発想は、体を捉えなおすヒントになります。
左右差に気づく3つの目安
難しい機械がなくても、日常の中で「左右のちがい」に気づくことはできます。これは診断ではなく、あくまで気づきの目安として、遊び感覚で試してみてください。
- 片足立ち:目を開けたまま左右それぞれ。ぐらつき方や立っていられる時間に差はありますか。
- 片鼻でにおい:片方の鼻を軽くふさぎ、コーヒーやみかんの皮などのにおいを左右で。感じ方に差はありますか。
- 片耳で聞く:スマホの小さな音を左右の耳で。聞き取りやすさに差はありますか。
差があっても心配しすぎなくて大丈夫です。人の体には多少の左右差があるのがふつうで、大事なのは「自分の体には今こういう傾きがある」と知っておくことなんです。
左右のバランスを育てる3つの工夫
脳には、使い方しだいで変わっていく神経可塑性という性質があります。日常でできる工夫を3つ紹介しますね。
- 使いにくい側を、少しだけ使う:歯みがき、コップを持つ、扉を開けるといった動作を、ときどき反対の手で。体の左を使う動きは右半球、右を使う動きは左半球に届きやすいという発想です。
- においと音を、左右で味わう:片鼻ずつ好きな香りをかいでみる、片耳ずつ音楽を聴いてみる。感覚の入り口を左右で意識するだけでも、脳への入力は変わります。
- 見る・立つを左右そろえる:左右に置いた目印を目だけで交互に見る、片足立ちを左右同じ回数だけ行う。「苦手なほうを少し多め」ではなく、まずは左右そろえて心地よく。
コツは「量より頻度」。1回を長くがんばるより、短い時間をこまめに、が脳にはなじみやすいと考えられています。いずれも安全・少量・心地よい範囲で行い、めまい・頭痛・吐き気・気持ち悪さが出たらすぐに中止してください。
ファンクショナルブレインメソッドの視点
ファンクショナルブレインメソッドでは、体の不調を「悪いところ探し」ではなく、脳への入力と出力のバランスから捉えます。脳の左右差もその一つで、左右どちらかを持ち上げることが目的ではなく、左右がなめらかに連携できる状態をめざすという考え方です。詳しくはファンクショナルブレインメソッドとはをご覧ください。ご不明な点はよくあるご質問にもまとめています。
まとめ|脳の左右差は「優劣」ではなく「連携」で見る
脳の左右差は、右脳と左脳で得意な情報処理が少しずつ違うという事実であって、人を2タイプに分けるラベルではありません。そして体は対側性でつながっているので、左右差は姿勢や自律神経といった形で日常にもあらわれます。
まずは片足立ちやにおいで、自分の体の傾きに気づくところから。気づけたら、使いにくい側を少しだけ使ってみる。脳は何歳からでも学び直していける、という視点が、体との付き合い方をやわらかくしてくれるはずです。
よくある質問
右脳型・左脳型という分け方は正しいのですか?
人を右脳型・左脳型の2タイプに分けられるほどの偏りは、大規模な脳画像の研究では確認されなかったという報告があります。左右で得意な処理に傾きがあることは知られていますが、性格タイプの話とは分けて考えるのがよさそうです。
左右差があると体に不調が出るのですか?
人の体には多少の左右差があるのがふつうで、差があること自体が不調を意味するわけではありません。ただ、左右のバランスの崩れが筋肉の張りや自律神経の働きに影響することがある、という視点はあります。痛みや不調が続く場合は医療機関にご相談ください。
左右のバランスを育てる工夫は毎日必要ですか?
長時間まとめて行うより、短い時間をこまめに続けるほうが脳にはなじみやすいと考えられています。安全・少量・心地よい範囲で、無理のない頻度から始めてみてください。気持ち悪さや頭痛が出たときは中止してくださいね。
体のことをご相談されたい方へ
「左右差が気になる」「なんとなくの不調が続いている」という方は、一度ご相談ください。WEB予約・お申し込みはこちらから受け付けています。公式LINE(@598isnzb)からのご予約・ご質問も可能です。お近くの店舗は認定店一覧からお探しいただけます。
※本記事はファンクショナルブレインメソッドの考え方に基づく一般的な情報であり、個別の診断・治療を目的とするものではありません。





